銀行における出向の新常識。片道切符の島流しの真実

銀行員の出向キャリア

ドラマ半沢直樹でも話題になった銀行員の出向。ドラマでは片道切符と言われ、左遷のようなネガティブな人事異動として扱われていました。

しかし近年は、銀行における出向の捉え方も変わってきており、必ずしもネガティブな人事異動ではなく、ポジティブな出向も増えてきています。

今回は、銀行における出向の位置付けについて、出向するケースごとに解説していきたいと思います。

1. 経験を積ませる出向

まず、一つ目の出向として、経験を積ませる目的で社外に出向するケースについて解説していきます。

(1) 事業会社へ出向

このケースでは、事業会社へ出向することが大半となります。銀行の子会社や取引関係の深い企業の経営企画部門に出向することが多く、企業の中枢部署で経験を積むことを目的としています。

銀行内では、直接経営に携われるポストは限られているため、出向というかたちで経営の経験を積ませることを目的としており、出向先で、経営企画部等、会社の経営を担う部署で業務を経験することとなります。

(2) 出向者は30代が中心

出向する年齢としては、主に30代が中心となります。銀行内で10年前の経験を積み、戦力化が見込まれる層が対象となり、将来、銀行において中核的な人材が対象となります。

選ばれる人材としては、まさに将来を嘱望された人材であり、30代という働き盛りのタイミングで、出向先の企業で中核的ポジションを担うことで、早くから経営に関するビジネスセンスに磨きをかけます。

(3) 出向の意味

このタイプの出向はエリートコースと言えるキャリアであり、社員に経営力を積ませる意味合いが強くあります。銀行の支店長や部長は、支店や部署のトップとして小さい企業の社長のような位置付けとなるため、早くから経営的な能力を伸ばすこと必要となります。

30代で他社の中枢部署へ出向にいく人材は、まさに将来そのようなポストでの活躍が期待されている人材となります。更にその上の役員ポストや頭取、社長等、銀行の経営そのものに関わる可能性がある人材が出向に選ばれています。

2. 人脈形成の出向

二つ目としては、人脈形成や銀行と出向先との関係構築を狙いとした出向になります。メガバンクで多く見られる出向のパターンとなります。

(1) 官公庁へ出向

人脈形成、出向先との関係構築を狙いとした出向では、財務省をはじめ、経済産業省、外務省、国土交通省等の官公庁への出向が中心となります。その他にも、各省の外郭団体や、海外の日本大使館へ出向することもあります。

出向先での人脈形成の他、銀行として官公庁とのパイプ作り、関係構築にも繋がる出向となります。

(2) エリートコース

このケースは、若いうちから出向するケースが多く見られます。入社3年目前後の初めての異動の際に、出向となることもあり、若いうちから、官公庁との関係等の肌感覚を身につける狙いもあるようです。

また、出向する人材は、優秀な層から人選されます。入社の時点である程度選抜されていると考えられており、本当に一握りの人材が歩めるエリートコースとなります。

(3) 情報収集も狙い

この出向は上記の通り、人脈形成や組織としての関係構築が主な目的となります。出向して官公庁の業務に従事することで、そこの同僚や仕事相手との人脈を築くことができます。また、官公庁における業務の進め方を理解することで、将来銀行側で官公庁との業務に従事する場合に役に立ちます。

その他にも、情報収集の位置付けもあり、出向先でしか得られない情報に触れることも可能となります。

3. 片道切符の出向

そして、三つ目がドラマ半沢直樹で描かれていた出向に近い、片道切符の出向です。(ドラマでは、結局片道切符ではなく、銀行に戻っています。)

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(1) 子会社や親密取引先へ

このケースは、銀行の子会社や取引関係が深い親密取引先への出向が大半となります。出向する年齢となると、銀行側が出向先を斡旋してくれます。この段階で、出向者は銀行の子会社が良いか、取引先が良いかの希望を銀行側に伝えることができるそうです。

出向の初期段階は、銀行に籍を置いたまま出向することとなり、問題なければ、銀行を退職しそのまま出向先へ転籍することになります。

銀行に籍を置いたまま出向してみて、相性が合わない場合は、一度銀行に戻り、他の出向先の斡旋を受けることが可能です。

また、銀行での最終的な役職により、紹介される出向先がかわってくることが特徴です。銀行で役員まで勤め上げた方は、子会社の役員、場合によっては社長として出向することとなります。

(2) 黄昏研修

出向する年齢としては、かつては52歳が目安とされてきましたが、近年は出向する年齢も下がってきており、40代後半での出向も見受けられています。

45歳前後になると、黄昏研修と言われるセカンドキャリアの研修の案内が届き、出向が近いことを悟ります。セカンドキャリアの支援が充実していることはプラス材料ですが、50歳手前にして銀行から出なければならないことは、銀行員にとっては厳しい現実なのではないでしょうか。

(3) 実質的な銀行員としての定年

上記の通り、基本的には出向後に転籍することとなり、このケースの出向は実質的に銀行での定年を意味します。

転籍後は、今までの銀行での評価はリセットされ、それぞれまた新たなキャリアを歩んでいくことになります。出向先との相性により、その後のキャリアが大きく変わってくることとなります。

自分のかつての支店長は、上場企業に役員として出向となりましたが、相性が良かったため最終的に出向先で社長に就任しました。銀行では、支店長ポストの後に役員に上がれるような立場ではなかったので、本人のキャリアとしては大成功だったのではないかと思います。上場企業の社長は、なかなかなれるものではありません。

また、別の役員手前のポストまでいったかつての上司は、銀行と関係の深いオーナー企業へ出向となり、社長のカバン持ちのような仕事をしています。

まとめ

今回は、銀行の出向について、出向ごとの意味合いと対象年齢等をご紹介させていただきました。

ドラマではネガティブに扱われることが多い銀行員の出向ですが、実際には将来を見据えた前向きな出向も多く、出世コースの一つとなっています。

また、銀行員としての定年となる出向については、今はまだ基本的に出向先が斡旋されていますが、将来は出向先が斡旋されるかどうかも不透明になってきています。

今後はどの年代においても、キャリアを主体的に考え、行動していくことが必要となるのではないかと思います。

銀行の出向について、少しでも理解が深まりましたら幸いです。

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