「銀行を辞めたい」、「仕事がつらい」、銀行員の誰もが1度は思ったことがあるのではないかと思います。自分も銀行員人生を通じて、何度もそのように思ったことがあります。
しかし、実際に働いている日常の中では、なかなかその気持ちに素直になれず、つらいながらも我慢して過ごしている方も多いのではないでしょうか。
もちろん歯を食いしばって仕事に取り組むことが重要なこともあります。しかし、必ずしもつらさに耐え、我慢することが良いというわけではなく、つらい気持ちに正直に向き合うことも必要だと思います。
今回は、銀行を辞めたい時、仕事がつらい時に、そこから抜け出す解決策をご紹介させていただきます。
選ばれた人だけの会員制転職サイト BIZREACH1. 「逃げる」大切さ
(1) 逃げる選択肢を常に持つ
もし、今の毎日が本当につらいのであれば、その状況から逃げるという選択肢を検討してみてください。つらいという気持ちに正直になり、自信を持って逃げるべきだと思います。つらい気持ちを我慢して、気持ちが不安定になったり、体調を崩したりすることだけは、自分自身のために絶対に避けてほしいと思います。
人生をドラゴンクエスト等のロールプレイングゲームに例えることがよくありますが、ドラゴンクエストにも「逃げる」コマンドが常に選択肢として用意されています。
HP(体力)が低い時に強い敵と出会った場合、逃げるコマンドを自由に選択することができます。また、逃げた後にわざわざその敵と再度戦う必要もありません。
自分自身の人生も同じで、つらい時(体力がない時)は「逃げる」を選択しても問題ないのです。我慢して戦うという選択肢もありますが、それと同時に逃げる選択肢があることを常に意識できると良いのではないかと思います。
(2) 逃げる選択をした自分を責めない
実際に逃げる選択した時、真面目な方の場合、その選択をした自分を責めてしまうことがあります。ただ、自分を責める必要は全くありません。
一度、逃げるという選択をしたからと言って、逃げ癖のようなものが付くこともありません。むしろ逃げるという選択をできたこと、つらい状況から抜け出す一歩を踏み出せたことに自信を持つべきです。
また、もし次も逃げたいのであれば、また逃げても良いのです。つらい状況というのは、本心でその場所は自分自身に合っていないなと感じている証拠です。自分自身が悪いわけではなく、ただその場所に”合っていない”だけなのです。
(3) 環境が変わると気持ちも変わる
実は自分も異動したばかりの部署でどうしてもうまくいかずに、別の部署に異動させてほしいと上司に願い出たことがあります。うまくいっていなかった時期は、毎日気持ちが落ち込み、動悸のような症状もあり体調的にも優れない状況が続いていました。
その時は、本当に「逃げる」選択をしていいのか?また次の部署でもうまくいかないんじゃないか?と不安でした。上司に異動したい旨を伝えることも不安で仕方なかったのですが、いざ伝えてみると、思っていた以上にスムーズにことが運び、別の部署に異動することができました。
異動した部署は、雰囲気も業務内容も自分に合い、自信を取り戻して仕事に取り組むことができました。自分の経験から言えることは、今いる部署や上司、同僚と合わない時は、自分が悪いのではなく、本当にただその場所に”合っていない”だけなのです。
また、環境を変えることで、自分自身の精神面や体調面にも良い変化が見られます。自分も新しい部署に異動して数週間すると、動悸の症状もなくなり体調も回復しました。逃げることは悪いことではなく、合っていない環境を変えることができ、つらい状況から抜け出すことができます。常に「逃げる」選択肢があることを意識していてほしいと思います。
2. 見直すと気持ちが楽になる思い込み
(1) 仕事はつらいという思い込み
銀行で十数年働いていると、「仕事はつらいものである」、「つらいからこそ、それなりの収入・待遇を得られている」という考えが自然と植え付けられてしまいます。
ただこれは、見直すべき思い込みであり、”仕事がつらいこと”と”収入・待遇”は決してトレードオフの関係ではありません。
つらい時は、むしろ考えを改めるチャンスだと捉え、つらい原因をしっかり考える必要があります。職場の人間関係に原因があることが多いと思いますが、その場合は人間関係が良好になる可能性があるのかを見極めましょう。
また、根本的な業務内容なやりがい等につらい原因がある場合は、部署の異動や転職も含め選択肢を検討してみると良いと思います。
(2) 銀行で働くしかないという思い込み
30代、40代になり、家族を持ち始めたり、家を購入して住宅ローンを組んだりすると、自分は銀行で働いていくしかないという思い込みをしてしまいます。「今と同じような給与・待遇の転職先なんてそうそう見つからない」、「パートナーの理解を得られるかわからない」、そんなことを考えているうちに、”やっぱこのまま銀行にいるしかないんだ”という考えに辿りついてしまいます。
けど、実際は銀行以外にも選択肢は溢れています。人材の流動化が加速する近年では、一社でずっと働く必要はなく、起業や転職も選択肢となります。
一度銀行に入社したら定年まで銀行で働くというのは過去の考えです。銀行で働くしかないという思い込みを見直し、幅広く選択肢を検討してみましょう。
(3) 自分はダメであるという思い込み
仕事がうまくいかずにつらい状況が続くと、自分はダメな人間なんだと間違った思い込みをしてしまうことがあります。
うまくいかずに自信を無くしてしまうこともありますが、決してそれは自分がダメということではありません。上司や同僚との人間関係が“たまたま”合わなかっただけであり、その部署の業務内容が“たまたま”合わなかっただけなのです。
自分の好きな言葉に、「批判はいくらでも他人がしてくれるので、自分だけは自分を批判するのはやめよう」という言葉があります。自分だけはありのままの自分を受け入れて、ダメと思うのはやめるようにしていただければと思います。
まとめ
銀行員の仕事は、ノルマも多く、上司の当たり外れもあり、ハードな仕事です。仕事がつらいと思った時は、その気持ちに正直になり、自分の考えに見直すべき思い込みがないか、一度立ち止まって考えてみましょう。
逃げるという選択は、現状を改善するための勇気ある一歩です。また、逃げるという選択肢を常に持っていることで、気持ちが楽になるのではないかと思います。
逃げるかどうかの判断ができない状況で、毎日会社に行くのが嫌で嫌で本当につらい時は、無理をせず休む選択をしてほしいと思います。自分自身の健康を何よりも優先するべきです。
仕事がつらい人、逃げ出したい人の助けになれば幸いです。