銀行における海外業務の重要性が日に日に増してくる中、海外赴任を目標に銀行に入社した方も多くいるのではないでしょうか。
海外赴任は、スキルの向上やキャリアのプラスに繋がるだけではなく、収入面でも国内勤務に比べ高待遇が見込まれます。
また、ニューヨークやロンドンといった金融先進国への赴任は、まさにエリートコースと言え、メガバンクの社長・頭取もそのような都市での海外赴任を経験しているケースが多く見受けられます。
今回は、自分の経験も踏まえ、海外赴任を実現するためにやるべきことを書かせていただきます。
1. 海外赴任実現の可能性を高める
(1) 今の業務に直向きに取り組む
銀行で海外赴任を実現するためには、まず、今いる支店や部署の業務に精一杯取り組むことが重要です。
これは決して支店や部署内で1番の実績をあげるとか、社内表彰を取るということではなく、まずは前向きに業務に取り組める人間であることを所属長や上司に伝えることが重要となります。
海外赴任は、手当や補助が国内勤務より手厚いため、会社側としては相応のコストがかかります。また、日本とは違った環境で業務を行うことから、赴任者には高いストレス耐性が求められます。
日本からの派遣行員が限定的であることから、業務範囲が多岐にわたることもあり、そのような条件に見合った人材であることを伝える必要があります。
まずは、今の職場における業務に対して、選り好みをせずに直向きに取り組むことが重要となります。
(2) 海外希望をとにかくアピールする
どんなに所属長や上司から高い評価を得ていたとしても、海外赴任を希望していることが伝わっていないと、海外赴任が実現することはありません。
伝えるタイミングがあれば、積極的に海外赴任希望であることを伝えていきましょう。例えば、所属長と顧客訪問へ向かう移動中や、飲み会の席等で、不意にキャリアの希望を聞かれた場合も、躊躇せず海外希望であることを伝えると効果的です。所属長の頭にインプットされるまで伝えるべきであり、毎回海外希望を口に出していたとしても、伝えすぎということはありません。
また、「海外駐在という業務はない」ということをよく人事部や上司には言われます。海外希望を伝える際は、海外でどのような業務に取り組みたいのか、希望する理由も合わせて伝えると効果的かと思います。
具体的な業務内容を伝えることで、単純に“海外に行きたい”と伝えるよりも本気度が伝わります。具体的な例としては、以下のような理由が挙げられます。
- 日本からの派遣行員が少ない環境で、支店運営にも携わりたい
- 現地の外資企業相手に営業をしたい
- ニューヨークやロンドン等の金融の最先端で、海外のトップバンカーとして活躍したい
- 資金需要が旺盛な新興国で、企業の成長を助ける融資に携わりたい
- 海外に進出する日本企業を現地でサポートしたい
- 将来、海外拠点の支店長になりたいと考えており、若いうちから現地スタッフと業務を行う経験を積みたい
上記のような具体的な理由を添えつつ、海外希望をアピールすることが有効ではないかと思います。
(3) 社内公募制度を積極的に活用する
自身で手を挙げて希望のポストに異動する社内公募制度が導入されている場合には、積極的に海外赴任のポストに応募してみましょう。
通常そのような制度に応募する場合は、志望理由を応募書類に記載し所属長の承認を得る必要があるので、応募書類を通して、所属長やその先の人事部に対して、自分の希望を伝えることができます。
たとえ、社内公募制度は不合格となり、そのタイミングでの海外赴任が叶わなかったとしても、海外希望であること、赴任に対する意欲が伝わり、それ以降の人事異動で海外に行ける可能性が高くなります。
銀行内に用意されているキャリアの制度を積極的に活用していくことも重要です。
2. 英語力の向上
(1) 英語テストのスコアを取得する
海外駐在を実現するうえで、英語の能力は高いに越したことはありません。社員数が多いメガバンク等では、社員一人一人の実際の英語力をはかることはできないので、TOEICやTOEFL等のスコアが英語力をはかる1つの目安となります。
TOEICは、コツを掴んで努力をすれば点数が上がっていくテストですので、海外希望であれば、高得点の取得に努めましょう。
海外での業務内容にもよりますが、海外赴任の最低ラインはTOEICでBスコアとなる730点が目安となるでしょう。海外で、プロダクツ関連の業務や現地企業向けの営業担当を希望する場合、Aスコアとなる860点が目安となります。
自分も入社当初は、TOEICの点数は500点台でしたが、勉強のコツを掴むことで、900点を突破することができました。(それなりの自己投資はかかりましたが、海外赴任が実現できたことにより十分その投資が回収できました。)
(2) 目指すべき英語力を理解する
英語の学習は、長期的に継続して取り組む必要があるため、目指すべき目標、身につけるべき英語力を理解することが重要となります。
誰もがネイティブのような綺麗な発音に憧れますが、幼少期に英語に触れていた人でない限り、ネイティブの発音になることはありません。
目指すべき姿を間違えるも、途中でモチベーションがなくなったり、英語の学習が継続しなくなるので、目指すべき姿を理解することが重要です。
必要なのは綺麗な発音ができる英語力ではなく、ビジネスで通用する使える英語力です。
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(3) 学習を継続する
英語の学習はやればやるだけ成長できる一方、ゴールをいうものがありません。また成長曲線も、ずっと右肩上がりになるわけではなく、階段のように成長と停滞を繰り返していくので、成長を感じられない時期が必ず訪れます。
そのような時も学習する目的を見失わずに英語の学習を継続しましょう。継続することで必ず自分自身の力になります。
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3. 転職の可能性を検討する
(1) タイミングを見極める
銀行内での海外への異動は、所属長との相性を含めタイミングに大きく左右されます。もし、なかなか希望が叶わないのであれば、転職で海外赴任を実現するというのも選択肢として考えられます。
海外赴任の場合、家族の事情や自分自身の年齢等、考慮に入れなければならないことが国内の異動より多くあります。
そろそろ海外に行きたいというタイミングで、国内の別の部署に異動となった場合、最低2年は新しい部署で働く必要があります。
異動直後のタイミングでは思い切って外に出るということも検討に値するのではないかと思います。
(2) 赴任地を選べるメリット
転職で海外赴任を実現する最大のメリットは、転職する時点で赴任国を選べる可能性があることではないかと思います。
海外駐在を希望する場合、生活環境や自分の趣向により、少なからず行きたい国・行きたくない国があると思います。
銀行の人事異動では、余程、赴任するのが嫌な国を希望として伝えることはできるかもしれませんが、赴任を希望する国に運良く異動できる可能性はあまり高くはありません。
転職の場合は、募集時点で赴任する国が決まっていることがあり、より自身の希望に沿った赴任地を実現することが可能になります。
まとめ
今回は、銀行員のキャリアにおいても一つの目標となる海外赴任について書かせていただきました。
銀行員の海外赴任については、人事異動の中で実現する方法、転職することで実現する方法があります。
今いる銀行内の人事異動にて海外駐在を狙う場合は、現時点の業務に一生懸命取り組むことと同時に”海外赴任をしたい”という意思を伝えることが重要になります。意思を伝えることはマイナスにはなりませんので、積極的に発信していきましょう。
転職で狙う場合には、どんな案件があるのかをまずは確認することが必要です。また、人事異動で海外駐在を狙うより、より英語力が必要となる可能性があるため、英語力の向上に日々取り組むことをおすすめします。
海外赴任を目指す上でのご参考になれば幸いです。