銀行員を含め、多くの社会人にとって仕事をする上で欠かせないビジネスメール。毎日使用しているものの意外にメール作成において悩む場面もあるのではないでしょうか。
メールは、書き手の表情や感情が伝わらないため誤解を生みやすいコミュニケーションツールと言えます。書き手の意図したことがうまく伝わらないことも頻繁に起こります。
今回は、よりわかりやすいメールにするための書き方の極意をご紹介させていただきます。
1. 受け手にとって読みやすいメールにする
(1) 行間
見た目で読みやすいビジネスメールにするには、行間を意識することが重要です。
以下に2つの例を挙げさせていただきます。
悪い例は、行間が開いているため読みにくいと感じるかと思います。良い例では、内容ごとにまとまっているため読みやすいかと思います。
読み手は、文章を読みながら無意識のうちに次の文を目で追っているので、行間が近い方がストレスなくスムーズに読むことができます。
<悪い例>
お世話になっております。
昨日は面談のお時間をいただきありがとうございました。
ご提案させていただいた経常運転資金のお借り入れの金利・諸条件について、
ご不明点等ございましたらご連絡ください。
また、ご相談いただきました債権流動化の件については、
専門部署に確認のうえ、改めてご連絡させていただきます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
<良い例>
お世話になっております。
昨日は面談のお時間をいただき
ありがとうございました。
ご提案させていただいた経常運転資金の
お借り入れの金利・諸条件について、
ご不明点等ございましたらご連絡ください。
また、ご相談いただきました債権流動化の
件については、専門部署に確認のうえ、
改めてご連絡させていただきます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
行間一つ変えるだけで、メールの読みやすさが大幅に変化します。
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(2) 文章の区切り・文章の長さ
メールは文字によるコミュニケーションのため、文章の区切りや長さを意識して、受け手にとって読みやすい文章にすることが大切です。
書いている側としては、うまく意図を文章に落とし込めていると思っても、メールを受ける側としては良く理解できないこともあり、ミスコミュニケーションの原因ともなります。
メールを送る前には、一度読み返して見ることが重要ではないかと思います。意外にわかりにくい文章に気がつくことがあります。
(3) 曖昧な表現は避ける
メールは、あくまで文字の内容しか伝わらないので、しっかりわかりやすい表現で書く必要があります。
例えば以下をご覧ください。
<メールA>
◯◯様
先日はお時間を頂きありがとうございました。
添付の資料について、関係者に確認のうえ
問題ないかご返信ください。
<メールAへの返信>
◯◯様
お世話になっております。
添付いただいた資料について確認してまして、
問題ございませんので、こちらで進めてください。
どうぞよろしくお願いいたします。
この「確認してまして」は、大変わかりにくい表現となります。
前後の文によっては、”確認済”とも捉えることができますし、”確認中”とも読み取ることができます。このような、複数の解釈が可能な表現はメールではなるべく避けるべきです。
上記であれば、「添付いただいた資料については確認が済んでおりまして」と意味が明確となる文章でメールを書く方が良いでしょう。
2. 意外に悩むメールのマナー
(1) 定型分を入れるかどうか
メールには、「お世話になっております。」、「どうぞよろしくお願いいたします。」等の本質的な意味を持たない定型文があります。これらを毎回書くかどうかは悩む部分ではないでしょうか。
各個人の考えによるので明確なルールは存在しませんが、個人的にはメール相手の関係性によって決めることが重要なのではないかと思います。
例えば社外の人にメールを送る際に、こういった定型文なしで送ると、冷たい印象を持たれてしまう可能性もあります。ビジネスメールは相手がどう思うかが重要なので、まずは定型文を書いて送った方が安心ではないかと思います。
メールのやりとりをする中で、相手が定型文を入れてこないなど、不要と判断できる場合は、記載する必要がないと思います。
(2) ccとbccの活用
ccとbccの活用も悩む点が多いかと思います。
特にbccは使い方を間違えると信用を失ってしまうことになるので、注意が必要です。
またbccは、メールの受け手(bccではない受け手)にとってはbccに入っている人がわからない仕組みです。bccで受け取ったメールに対して返信をするのはマナー違反なので気をつけましょう。最初のメールの送り手の信頼を棄損することとなります。
(3) 添付ファイル
添付ファイルは、ビジネスメールにおいて情報漏洩等の事故が一番起こりやすいポイントとなります。添付ファイル付でメールを送信する際は、必ず送信前に添付ファイルを開き内容を確認する等、最善の注意が必要です。
また、エクセルファイルは、ページの表示やセルの選択も含め保存した状態※でファイルが開かれるため、メールと関係ある部分で保存して添付することが重要となります。
※ワードやパワーポイントは、どのページで保存してもファイルを開く際は1ページ目となるが、エクセルは保存した状態でファイルが開かれる。
見せたい部分で保存したり、伝えたい部分のセルを選択したりすることで添付ファイルの受け手にとって丁寧に伝えることができます。
3. メールをわかりやすくするひと工夫
(1) インデントの活用
インデントを活用することでメールの読みやすさが抜群に上がります。一つのメールで複数人に向けて書く際や、複数のトピックがある際にとても有効です。
インデントを活用することで、段落やまとまりを表現でき、わかりやすいメールとなります。意識しないとなかなか気が付きませんが、読みやすいメールを作成している方は、インデントをうまく活用しています。
(2) 状況に応じて名前に部署名を入れる
名前の前に会社名や部署名を入れるかは明確なルールはありません。
万が一のメールを誤送信した際の情報漏洩を最小限にするため、名前以外は記載しないというルールがある会社、部署もあるかもしれません。
一方、部署名を入れた方が良いというケースがあります。それは、同じ苗字の人が同じメールグループに入っている場合です。
本人同士は問題ありませんが、ccに関係者が入っている場合、ccの人にとってはどの部署からどの部署に送られたメールであるかを判断するのに時間がかかります。
(3) 添付ファイル内の該当箇所を記載する
メールに添付ファイルを付けて送ることは多くありますが、ただ添付するだけだと、受け手としては添付ファイルのどこを確認すればいいかわからず、時間がかかることになります。
メール本文に添付ファイル内の該当箇所がどこになるかを記載することで、相手にとって確認しやすくなり丁寧なメールとすることができます。
仕事は、相手への気遣いの積み重ねでもあり、自分がメールの受け手だった場合に、どのようなことが書かれていると助かるかを考え、メールを作成することが重要ではないかと思います。
相手がわかりやすいようにするために、添付ファイル内の該当箇所にマーカーで色付けをしたり、該当箇所が少しの場合は、メール本文に添付ファイルの該当箇所を書き出すのも相手にとって親切かもしれません。
まとめ
今回は、ビジネスメールの書き方について記載させていただきました。
毎日使っていても意外に悩むことも多いですが、しっかり書き方を身につけることで、業務のスピードアップにも繋がりますし、メールの受信者に良い印象を与えることができます。
たかがメールですが、されどメールです。ビジネスメールは、ビジネススキルとして意外に差がつくポイントだと個人的には思っています。
少しでも参考になれば幸いです。