就職活動の準備も年々早くなってきているかと思いますが、就職活動中の就活生の方は、エントリーシートの書き方に頭を悩ましているのではないでしょうか。
今回は、人事採用担当の経験から、銀行の内定を勝ち取れるエントリーシートの書き方について、作成する上での準備やコツも含め解説させていただきます。
1. エピソードを整理する
(1) 自己分析
就職活動を始める上で、まず最初に取り組むように言われるのがこの自己分析です。自己分析と言われても何をしていいのか良くわからないかもしれませんが、難しく考える必要はありません。
幼少期から現在までの行動や決断、良かったこと悪かったことを振り返り、自分自身についての理解を深めることが目的となります。
ノートに過去の印象的な出来事を記載し、「あの時はこのように考えてこうゆう行動をした」や「あの時は楽しくて夢中で取り組めた」等を書き出していきましょう。
過去の考えや行動を振り返り分析することで、以下のような内容を明確にできればといいと思います。
- 過去の経験を振り返り自分が楽しいと感じること
- 過去の経験から自分が得意とすること
- 過去の選択から自分の判断基準や価値観
- 過去の経験に共通している価値観
自己分析を通じて、浮かび上がってきた自分自身の価値観や考えは、企業を選んでいくうえで重要な要素となります。
(2) 企業分析
自分自身を理解する自己分析の次は、企業の理解を深める企業分析です。企業や業界のことを良く理解することが、受かるエントリーシートを書く第一歩となります。
今の時代は、ほとんどの情報は企業のウェブサイトに掲載されているので、各企業のウェブサイトをチェックして理解を深めましょう。
その上で、わからないことやウェブサイトに掲載されていないことは、会社説明会やOB訪問・OG訪問の機会を活用して確認するようにしましょう。
社員の方と面談をする機会があれば、下記のような内容を確認してみるといいかもしれません。
[公表されている情報では、実際の運用がわからない内容]
- 海外赴任を目指しているのですが、何年目くらいから実際に海外に行く人がいますか。
- 有給取得率が70%とウェブサイトでみたのですが、実際にはどれくらい取得できていますか。
- MBA留学制度があると伺ったのですが、年間何名くらい留学に行かれていますか。
[社員の方それぞれの考えによる内容]
- どんな時に仕事のやりがいを感じますか。今までで1番やりがいを感じた仕事を教えていただけますか。
- 御社の魅力はなんですか。
- なぜ、御社に入社しようと思ったのですが。また、入社後に入社前に思っていたのとは違うギャップはありますか。
社員の方の考えを聞くことで、その考えに共感できるかどうか、その会社が自分に合っているかどうかを知ることができます。
また、社員の方と話す中で感じる、「こんな先輩と一緒に仕事がしたいな」や「この人はちょっと合わないかな」といったフィーリングも会社を選ぶ上では重要ではないかと思います。
ただ、最初の1人で判断してしまうのは危険です。学校でも同じだと思いますが、何人もいれば合わない人は必ずいます。たまたま合わない社員が1人目だった可能性もあります。複数人に話を聞いて、それでも感じるフィーリングがあるなら、そのフィーリングを大切にしましょう。
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(3) 志望動機
最後に会社を志望する理由を明確にしましょう。最初は、エントリーシートにとらわれず、なぜその会社に興味を持っているのか、なぜ受けようとしているのかを考えていけばいいと思います。
企業分析を進めていく中で、志望動機を整理して言葉にできると良いかと思います。
また志望理由は一つである必要はありません。誰もが希望した企業に必ず入社できるのであれば、明確な理由が一つあればいいのかもしれませんが、現実には複数社を受けることになるので、複合的な理由で問題ありません。
自己分析、企業分析、志望理由の3つの材料を整理できると、より説得力のある“内定を勝ち取れるエントリーシート”を作成することができます。3つの材料を使用し、ストーリーを持ったエントリーシートの作り方は「3. 内定を勝ち取るエントリーシート』でご説明いたします。
2. エントリーシート作成のヒント
(1) 設問に的確に答える
エントリーシートを作成する際は、設問をしっかり読み、何が問われているのかを理解して、的確に回答する必要があります。
例えば「当社を志望したきっかけを300字以内で記載してください」という場合、質問されている内容は“きっかけ”であり、志望理由ではありません。志望するにいたったきっかけを具体的に記載する必要があります。
設問に対する回答がずれていると、エントリーシートを読む人事担当者に、「しっかりと設問を理解していない」と、思われてしまうため、設問に対して的確に回答する必要があります。
(2) 不要な文章を削ぎ落とす
エントリーシートは通常、記載可能な文字数が指定されています。なんとか指定の文字数まで文字数を積み上げるのではなく、指定の文字数の倍くらいの文章を作り、不要な文章を削り落としていきましょう。
限られた文字数でいかに伝えるかが重要であるため、何度も文章を推敲することが必要になります。また推敲された文章は、企業の読み手にとってもわかりやすく、良い評価に繋がるでしょうか。
意外かもしれませんが、人事担当者は全てのエントリーシートをしっかりチェックしています。推敲された文章は、高い文章力を示すだけでなく、熱意も伝わります。また、人事担当者は、面接の際に必ずエントリーシートを確認するので、エントリーシートの文章がしっかりしていると、良い印象を持たれた状態から面接を実施することができます。
(3) なるべく多くの人に確認してもらう
エントリーシートをブラッシュアップしていく方法としては、なるべく多くの人に読んでもらい意見をもらうことです。
もちろんそれぞれの人がそれぞれの意見を言ってくるので、全てを鵜呑みにする必要はありません。ただ、多くの人に読んでもらうことで、違う視点からエントリーシートを見直すことができます。
自分自身のことを知っている人に読んでもらえる場合は、今まで気が付かなかった自分の強みや、考え方に気付かされることもあります。
また、自分自身のことを知らない人に読んでもらえる場合は、文字に落とすと伝わりにくい部分を見つけることができます。自分自身についての前情報を知らない相手に読んでもらうことはとても重要となります。就職活動の面接も、当然初対面の人が相手となるため、初対面の相手にもうまく伝わるエントリーシートを作る必要があります。
事前に自分のことを知らない人に読んでもらうことで、“自分のことを知らない人にはこうゆう部分は伝わりにくい”であったり、“この部分はもう少し背景から説明したほうが良い”ということを知ることができます。
3. 内定を勝ち取るエントリーシート
(1) 自己分析・企業分析・志望理由を繋げる
エントリーシートを記載するために整理した、自己分析、企業分析、志望理由の3つの材料を、一つのストーリーにつなげる方法を説明します。
自己分析では、自分の強みや興味があることを明確にできたと思います。また企業分析では、会社の特徴を理解できたと思います。
この自己分析で明確にした自分の強みや興味が、会社の中でどのように活かせるかという視点で繋げ、志望理由として記載していきます。
(2) エントリーシートの型
エントリーシートには、回答の文字数にもよりますが、基本的には記載する内容の型があります。
下記が主な流れとなります。
① 質問に対する回答を一言で明確に言い切る ② 大学時代等の過去のエピソードと合わせ理由を記載する ③ 会社について調べたことを踏まえ②の内容を繋げて記載する ④ まとめ。①と同じ内容を再度記載する
当然、質問内容や他にどのような質問があるかによって調整は必要となりますが、基本的には上記の型をベースに記載していくと、伝わりやすいエントリーシートを作成することができます。
まとめ
今回は、内定を勝ち取れるエントリーシートの書き方について記載させていただきました。
企業が成長していくにあたり、人材は重要な要素なので、どの企業も採用活動には力を入れています。エントリーシートについても、細かい部分までしっかり確認しています。
一発勝負である面接やテストと違い、エントリーシートは時間を使って考えることができるので、何度も推敲を重ね、納得がいくエントリーシートに仕上げましょう。
就職活動における参考になれば幸いです。